入手先は、警察の取締りが厳しくなって見掛けなくなってしまいましたが、場所代を払わない売人たちがたむろする蚤の市のはずれで、たまたま呼び止められて見せられた古い写真の中にありました。すべての写真が薄くなっていました。つまり、保存状態の悪い19世紀後半及び20世紀はじめと思われる写真でした。今から思うとすべて購入しておけば、他にも掘り出し物があったかもしれず、撮影者に関する手掛かりも得られたかもしれなかったので、残念なことをしたと後悔しますが、その時は彼の要求する金額を持ち合わせていず、四葉を購入しただけです。その中に見た顔があると感じてこの「写真」も選びましたが、「一葉目の写真」の“ミレーかもしれない”というような、誰か確信があって選んだわけではないので、写真の方が呼びかけたのかもしれません。呼びかけた本人が、「一葉目の写真」の査定の過程で、モネ描く「草上の昼食」のモデルとして、「俺だ!クールベだ!」と叫び。そして、いま一人、ミレーと同じバルビゾン村の長老の姿が浮かび上がりました。
参考に、同時に購入した他の三葉の写真も縮寸掲載しておきます。
その当時は現在のように、パーソナル・コンピューターもデジタルカメラも普及していず、写真の修整が今日ほど容易ではなかったので、蚤の市の場末で、画像の薄れた「二葉目の写真」が入手できた幸運を改めて思います。真ん中の写真も同じサイズですが、高さを横長の写真に合わせました。写真をクリックすれば原寸大の写真が見られます。思いついて急いで撮ったのであまり鮮明ではありませんが、そのうちサイトで。